グループホームの紹介


1.はじめに
私たちは、平成10年5月6日に「のぞみハイツ」、平成11年12月に「サンハイツ」、平成14年5月に
「小谷地ハイツ」を立ち上げました。
関係機関との連携についてよく質問されるのですが、最初は保健所の協力のみでした。2軒目のサン
ハイツは、建物やサポーター探し、地区住民への説明に役場保健師の協力が得られ、理解ある大家
さんにも恵まれるなど、少し地域との結びつきが広がりました。3番目の小谷地ハイツになると、地元の
方々が喜んで迎えて下さり、地元老人会やご近所との自然な交流が生まれるようになりました。
この場をお借りして、皆様に感謝申し上げます。

さて、病院に近い「のぞみハイツ」は、今の所、社会的入院や症状が少し不安定な方々が地域生活に
慣れるまで入居する所とし、自信を取り戻してきたら、地域生活という本来の形のグループホームに
移動するという考えで運営されています。従って、最初入居した女性メンバーは定住型のサン・ハイツ
に転居し、その後男子が入居しました。今後も定住型のグループホームを栗原郡もしくは登米郡の町内
に設け、地域の中で安心して暮らせるお手伝いをしていきたいと考えています。
また外来でも親の高齢化などから将来への不安を訴える方が多いので、今後展開するグループホーム
では、このような方々も積極的に引き受けていくつもりです。 → グループホームを作ろうとした理由

2.グループホームとは
地域の住宅で数人の方々が、一定の金額を負担しながら共同で生活し、専任の世話人が日常的な
生活援助(食事の世話、服薬指導、生活上の助言など)を行います。つまり本人が出来ない部分を
補いながら自立した生活を送る場所です。入居する方々は精神症状が安定し、ある程度身の回りの事
は自分で出来ることが必要です。
(さらに、平成13年度までは、福祉的就労(共同作業所や職親制度など」)をしている事が条件となって
いましたが、現在、この項目は削除されています。)

  詳しくは「精神障害者地域生活援助事業運営要綱」をご覧下さい。
  (以前の要項はこちらです。)
 
  

3.建物説明
のぞみハイツは建坪約43.3坪、2階建です。全個室で定員5名、部屋の広さは1人あたり約6畳です。
各室に火災探知機やインターホンを設置、火災通報装置や消火器といった防災設備、手すりの取り付け
やシャワー室を設けるなどの工夫をしました。(でも、今考えると、やや施設的な建物です。)
サン・ハイツは大家さんをはじめ地域の皆さんの協力・理解のもとに、地域型グループホームとして開
設することが出来ました。こちらの居住スペースは和室でやや狭いもののアットホームな雰囲気です。
小谷地ハイツは完全に普通の民家で、街の一角にさりげなく溶け込んでいる建物です。

4.運用概略
 費用
施設利用料(月10000〜12000円)、共通経費(光熱水費など)ならびに、朝晩の食事代(月〜土)を
入居者負担金として頂きます。これは合計で月40000円ほどです。本当は実際のアパート料金に
準じた額を設定したいのですが、悲しいことに年金2級の人にとってこれが限界です。
また、平日の昼食代ならびに日曜・祝祭日の3食の食事代が別途必要となります。

 
入居期間
入居期間は特に設定していません。しかし、のぞみハイツの入居者には、グループホームを必要として
いる方の訓練ためにも、出来るだけ必要時の移動に協力して頂きたいと思っています。また、高齢にな
り生活が困難となった場合には、老人ホームなどに移っていただく時が来るかもしれません。

 ライフサポーター(世話人)

月曜〜土曜までの朝食と夕食の世話や生活上の悩み相談、受診の際の付き添いといった日常生活
に必要な援助を行うスタッフです。勤務時間は朝7時から夕方7時までのうち8時間です。現在当院で
は20代〜70代まで計5名のサポーターが働いています。以前は、全員で各グループホームをローテーションしていましたが、最近は固定化するようになりました。
ところでライフサポーターは長ったらしいので、内輪ではサポちゃん(坐薬ではない!)と呼んでいます。
今後も当院のサポちゃんを宜しくお願いします。 → ライフサポーターとは

5.精神科訪問看護
週1〜3回、看護師もしくは精神保健福祉士が訪問して入居者のフォローをしています。主に心身の調子
や困りごとの相談といった医療・福祉的な側面からの援助を行います。また、具体的な援助計画をたて
たりサポーターの相談相手になるという部分もあります。今までのところ、血圧測定などもしていますが、
医療面よりはむしろ快適な日常生活を送るための関わりが中心になっています。
訪問看護以外にも、様々な職員が随時訪問活動を行い、フォローしています。


実際の訪問看護の様子

この日は、看護師がのぞみハイツを訪問していました。メンバーの血圧測定をした後、日常生活の話を聞いていましたが、入院生活が長かったためか刺身等の食べ物に話題が集中したようです。
また米どころのためか飯米にこだわる入居者もいました。こんな感じで話し合いをしながら、お互いに話し合いながら、自主的なルールの元で生活しています。

6.その他
気分転換や浦島太郎状態の改善のために発案された「会食会」というものがあります。たまには外に
出かけて社会見学を兼ね、美味しいものを食べようということで始まりました。現在も1〜2月に1回メ
ンバーの希望を聞いて出かけています。初めの頃は医師がボランティアとして参加、車を提供しました
がやはり医師が加わるとみんなが緊張するので、普段は入居者とサポーターのみで行われています。
これ以外にも病院スタッフを招待したバーベキュー大会や年越しすき焼き大会、男女グループホームな
らではの相互交流会も行われています。毎月積み立てをして1泊旅行にも出かけています。

これは1999年12月のすき焼き大会の画像です

参考資料
1. のぞみハイツ設立までの経過

H9年 3月    事前の準備、検討をかねて院長、PSWなどがK病院のグループホームを見学
H9年 6月18日 院長より「グループホーム設置に対する提言」あり。新任の医師も協力し、
           N病院への資料請求などを行う。
           その後登米保健所PHNなどとも具体的な方針について協議し、入院者か
           らの候補者選定や建物の構想、業者選定などを行う
H9年10月    ダイワハウス工業との建築に向けての打ち合わせ開始
H9年11月 5日 医師による、職員への説明会
H9年12月 4日 グループホーム運営委員会設置、利用料・生活費の試算検討などを行う
H9年12月16日 地鎮祭
H10年1月23日 家族説明会の実施
H10年3月 4日 入居予定者の家族への説明会の実施
H10年3月10日 N病院への見学(医師・世話人・PSW)
H10年3月24日 K病院への見学(医師・世話人・PSW)
H10年3月31日 工事完了・引き渡し
H10年4月 2日 入居予定者に対するグループホーム見学会、以後試験外泊数回実施
H10年5月 6日 開所式(県内11番目)・正式入居開始(女性5名)


2.グループホーム設置に対する提言(注 固有名詞などの関係で一部削除・改変してあります)

                                               平成9年6月18日

宮城県内では精神障害者の地域生活基盤が乏しい。法律上は社会参加を促進するように規定してい
るが、実際問題としてなかなか進展しないのが現状である。また現在自宅で生活している方々の中に
は劣悪な環境におかれている者もあり、親と生活している方々の中には将来の不安を抱く者が少なく
ない。このような現状をふまえ、石越病院でも地域社会での生活を支援していく必要がある。収入の
面では殆どメリットはないが、地域貢献などからグループホームの建設を提言する。ただしまだ地域で
の理解が十分とは思われず、また運営に対するノウハウも十分ではない。本来ならいくつかの町村内
に開設して行くべきであるが、まず病院密着型のグループホームで、地域生活訓練を行い、大家となる
人にも運用状況を確認してもらい、その上でそれぞれの町の中に開設して行きたい。

【病院密着型グループホーム】
旧給食棟跡地に居住者6人規模で建設する。運営母体は医療法人である石越病院、入居対象者は
石越病院に入院中の方々とする。世話人は石越病院職員とし、雇用は常勤扱いとするが、パート体制が
認められるかどうか県に確認、もし可能なら非常勤の午前・午後2交代制も検討する。
補助金の月単価は256000円であるが、規定では世話人報酬が中心であり、病院への家賃支払い等は
患者が行う。家賃+飲食物費+光熱水費として月額いくらにするか検討課題となる。また家賃を1万円
としてもとうてい月々の支払い利息にはほど遠いが。入居期間は原則として設けない。しかしある程度生
活したならば、それぞれの町の中で生活することを目的としてもらう。現時点では第1に○○町△△氏宅
が有力候補である。
グループホーム入所の条件に就労(福祉的就労を含む)が含まれている。この問題をクリアーするため、
石越病院に共同作業所を併設することも検討課題に入れる。尚、若柳町共同作業所が石越病院グルー
プホームの入居者を受け入れてくれるならば病院車での送迎も検討しておく。ともかく設立に際してはグ
ループホームと共同作業所の開設申請が必要になるかもしれない。

【地域グループホーム】
最終的には生活に慣れた利用者を地域に戻す。ただ人によっては今までとは違う町村で暮らすことになり、
反発も予想される。また第2段階であり、外来者の参加も視野に入れる。しかし新たなメンバーを加えて
のスタートであり、運営がうまく行くか不明の点も多い。  
                                                 文責  院長